山 行 報 告


メンバー:小杉
日時:2005.1.28(金)7:00〜16:00
山域:日光雲竜渓谷
ルート:雲竜瀑
装備 バイル:パルサー・クウェーサー
 アイゼン:グリベルランボー ヂュアルポイント
 スクリュー:22cm6本 17cm4本(ハンドル付)13cm1本(ハンドル付)

 何度か計画を立てるが、さまざまな理由でいつも登れない「宿題」ルート。雲竜は自分にとってまさに宿題だった。取り付まで入ったのは、多分今回で5回目だと思う。正直あまり期待していなかった。2週間前に入ったときは、まるきり駄目でその後もあまり冷えてはいなかったからだ。友知らずを過ぎて、瀑を見上げると、この間よりも明らかに氷結が悪そう。と、言うより、崩壊しているように見えた。ピラミッドは例年の半分ほど。滝の真ん中に大きな穴が開いていて水がジャージャー。それでもまあ基部まで行ってダメなら氷柱でもやろうかなと思って行って見ると、左端が何とかつながっている。
気温が上がるとまた崩壊が進みそうなので、手早くラインを見定め取り付きへ。ソロのため取り付にもしっかりした支点が必要なので5mほど上がってV字スレッドとスクリュー1本で支点を作りスタート(8:45)。
氷がつながっているところをたどって、ラインを取る。穴を避けて出だしから3mで左へトラバース。氷の質は比較的良い。ところどころ4〜5mの垂直部分がある。上部の垂直はつながっている部分が細く、足の置き場に苦労する。カウンター気味にバランスを取りぬけ口に。ところが抜け口はモナカ氷でバイルが決まらない。何度か体勢を整えなおした後、モナカの上部にバイルを決め乗り越しに成功。その後は傾斜も落ち快適に進む。スタンスが少し安定しているところでピッチを切る。V字スレッドにスクリュー2本をバックアップで取り、ザイルをフィックスして下降。上り返しはユマールでビレイを取りスピードを意識しつつ上った。
11:20。2ピッチ目スタート。難しくはないが雪が乗っているので、バイルの利きが不安だ。大岩下の終了点で終了。下降と上り返しを繰り返す。ここは雪壁で安定しているのでしばし休憩を取る。3ピッチ目の滝。角度はないが、薄い。基部から上部まで薄いガラスみたいな氷だが、右端が何とか登れそうだ。出だし5歩で雪を踏み抜く。下は水が勢いよく流れている。確認しながら前進し、取り付きへ。ここも薄いが何とかなりそうだ。スクリューを1本決めスタート。中ほどまで登ったところで、スタンスを決めようと軽く蹴りこむと派手に踏み抜いてしまう。氷を壊さないように慎重に登る。13:30終了。しかし、支点が見付からない。どこかにありそうだが雪に埋もれているのかしばらく探すが、見付からない。V字スレッドを作れるような氷はない。あいにくロックハーケンは持ってこなかった。自分の意識の低さにうんざりしながら、残地支点を探すが雪に埋もれているのかしばらく探すが、見付からない。仕方がないので、スノーボラードを作り、4・5回テストをしてから懸垂。正直怖かった。
15:00。3ピッチの懸垂を終え、基部へ。登ったラインを改めて見上げ、「宿題」をクリアした充実感をかみ締めた。
小滝2つをクライムダウンし、アイゼンを脱ぐと、ふくらはぎがパンパンになっていた。フラフラしながら、ふみ跡をたどり下山。