山 行 報 告


メンバー:小杉・上小牧
日時:2004.6.24(木)5:30〜22:30
山域:谷川岳
ルート:烏帽子奥壁変形チムニー

 谷川ロープウェーの駐車場のおかげで、前夜発の仮眠がとても楽になった。明るくなると同時に目覚め、5:30には一の倉沢出合いを出発。計画は変チを午前中に片付け、天気しだいで中央稜にも取りつこうという欲張りすぎるものだった。変チは前々から行きたいと思っていた『宿題』だった。ドクターのおかげでやっと念願がかなった。
 テールリッジまでは雪渓がしっかりついている。テールリッジを快適につめ、いよいよ変チの取り付きだ。核心ピッチは偶数なので1ピッチ目はドクターが行くことにする。スラブ状のピッチは残地がほとんどなく、ナチプロも取れない。難しくはないがいやらしい。1ピッチが意外と短く感じたので、ドクターにそう告げると2ピッチ目の終了点目指して、再び前進しはじめた。結局2ピッチ分をまとめて登ってしまい、核心がドクターに回ってくることに。わざとか?それならそうと言ってくれれば良かったのに。譲る気はなかったけどね。
 仕方ないので3・4ピッチは難しそうなところを突破にかかる。ナチプロが効いて楽しい。核心のチムニーの手前5m位の所でピッチを切る。チムニーの中は暗くて湿っぽそうだ。ドクターが突っ込む。チムニーの中であの巨体がしばし止まっている。ドクターが帰ってきた。1手の踏ん切りがつかないらしい。トップを交代し、チムニーの中へ。シメシメ。チムニーの中は水滴が滴り、とっても悪い。左右のスタンスをうまく見つけながら前進。ショートピッチなのでカムをガンガン効かせる。抜け口のところのバランスが悪く、しばし考えさせるが、考えていても仕方がないので、前進。一気に視界が開けホールドも豊富になった。次のピッチはトラバースなので、ザイルの流れを考え、すぐにピッチを切る。
次は中央カンテと合流するためのトラバースピッチだが、途中の正面ルンゼでピッチを切る。ガレガレのルンゼを行く。プロテクションは取り放題だが、簡単だし、時間を考えほぼ省略。50m一杯で切る。次はドクターのピッチ。ナッツのセットに手間どりながらピナクルの先まで前進。と、なにやら光るものがカーンカーンと落ちていく。ヌンチャクだ。烏帽子スラブに消えていった。今日2本目だ(ナッツも落としたが、おいらが回収できた)。
 次の核心はアブミで突破。慣れていないので、手間取る。四畳半テラス下のハング左のクラックは、カムが面白いように効き、快適そのもの。
ここから烏帽子岩の直下まではどんどん高度を稼ぎ、テラスで小休止。天気がよくジリジリと焼け付く。水を200ccほど飲む。と、恒例の『奴』が俺の腹を襲った。壁の中での『奴』の襲来にはなれている俺でも、やはりあせる。近くのブッシュで『奴』を撃退。
あっせって作るチェストハーネスは、毎度のことながらいい加減。
 懸垂岩のところで終了。14:20。まあちょっと遅いかな。ここから懸垂で下降というとき、突然の夕立が!
 あっという間に草つきのルンゼは滝になり、コールは何も聞こえない。ぶるぶる震えながら、南稜の終了点についたのは16:30。ここで雨は上がったが、岩はつるつる。さらに南稜テラスまで下降したのは19:00。ここでヘッデン登場。中央稜基部まで1時間かかりました。乾いていれば10分ですが、ぬれていてとっても怖かったです。今度、雷の季節に来るときは、沢靴をアプローチに使います。テールリッジもザイルだしまくり。時間なんかもうどうでもいいです。安全第一。結局駐車場についたのは22:30。疲れました。
 悪場や悪条件でのドクターの強さ、安定感はすばらしかったです。これに懲りずに、近日中に、またご一緒できればと思います