スーパーカモシカ



日時:2004年9月19日〜20日
山域:日光連山
山名:霧降から丸沼
形態:縦走
目的:トレーニングで登っている山をつなげたい。50歳の挑戦
報告者:柴田 敏弘

 2年間温めていたスーパーカモシカを実行に移すときが来た。天気もまずまずなので19日、20日で霧降から丸沼まで歩くことにした。荷物は軽量化を考えて最低限に抑えた。水は1リットル、アクエリアス500ミリリットル、カルピス500ミリリットルにした。また、気ままに自由に歩きたかったので、単独行にした。
 早朝5時まだ暗い中、霧降スキー場を出発する。もう薄明るくなっても良い頃であるが、ガスが濃く真っ暗である。展望台の手前でガスの上に出た。雲海の上から真っ赤な太陽が出てきた。素晴らしい景色である。山はこれだからやめられない。展望台5時30分着。空は高く、絹層雲が見える。もう秋の空である。下は曇りか雨だろうと思いつつ、足取りも軽く6時30分赤薙山到着。絶好調、楽しくてしょうがない。奥社跡7時13分、一里ヶ曽根ピーク7時55分、順調である。日光側は相変わらず雲海であるが、栗山側からガスが湧いてくる。唐沢の避難小屋に泊まったというパーティとすれちがう。8時55分女峰山到着。あたりはガスに包まれて何も見えない。流れは速く帝釈山が見え隠れしている。こんな景色も私は好きだ。山に登っていることを実感させられる。9時28分、帝釈山到着。ガスは晴れて薄曇り、歩くのには良い感じだ。10時08分富士見峠着。ここまで静かな一人歩きであったが、数パーティが小真名子山のガレを登っている。快調、快調どんどん追い越して10時50分小真名子山の頂に立つ。数パーティが休んでいた。天気も良くなり景色が素晴らしい。いったん鷹ノ巣に下り、大真名子山に12時00分に着いた。あまり人に会わず良い気分である。大真名子山からは太郎山が目の前である。直接太郎山に行けないものかと偵察するが、崖と密ヤブで無理そうである。志津に下りる途中古い知人にあった。「どこから」の問いに「霧降から丸沼まで」と答えたら、6人パーティは目を丸くして驚いていた。13時00分志津峠到着。少し休んで太郎山登山口を目指し林道を下りる。車ではすぐであるが、歩くと遠い。13時50分、やっと太郎山を登り始める。「道が混んで今になった」と言う2人パーティと抜きつ抜かれつで太郎山を目指す。15時55分太郎山到着。ガスが出てきて少し寒くなった。2人パーティと分かれて小太郎山に向かう。16時16分小太郎山到着。ガスのため薄暗くなってきた。わずかではあるが、やせ尾根岩場があり変化に富んでいて好きなところである。15時00分山王帽子山手前鞍部。あと1時間も歩くと山王峠か涸沼まで行けそうだが、どのみちビバークであり、水を節約してきたため喉がからからである。ビールを飲んでビバークすることにした。まず、夏毛のテンが挨拶に来た。かわいいものである。次は繁殖期を迎えたシカが近くで鳴いている。「明日4時30分には起こしてくれよ。」と行ってシュラフカバーに潜り込む。ウトウトすると顔が冷たい。雨が降ってきた。あわててツエルトを張る。あとは快適、適当に歩き始めるつもりでいたが、4時38分、シカの声に起こされるまで熟睡してしまった。シカも寝坊して8分の遅刻である。あわてて起きて5時30分出発。山王帽子山5時51分、山王林道6時17分着。夕べの雨でズボンはびっしょりだ。早朝の涸沼は、下の方だけ朝霧が溜まっていて幻想的である。ミニ雲海だ。下に着く頃にはガスもとれ、高原の散歩といったところである。早朝の切込湖、刈込湖は心が洗われるようで、清々しい気分になる。切込湖6時55分、刈込湖7時10分、小峠7時35分着。湯元スキー場に8時25分に着いた。水分が全くなかったので、コーラとアクエリアスを補給して白根山に向かう。ここでも3パーティをぶっちぎって外山尾根10時00分、天狗平10時24分、前白根山に10時55分に着いた。天気は良くこれから向かう五色山、奥白根そして五色沼が実に美しい。最後の山域を楽しみながら11時15分、五色山到着。11時48分弥陀ヶ池に下りる。この五色沼周回コースは私の好きなルートの一つである。右手には湯元の町並みそして湯の湖が見え、遠く戦場ヶ原、男体山が見渡せる。左手には、奥白根山をバックに美しい五色沼が見える。いよいよ奥白根山に向かって、最後の登りだ。天気は最高、気分は最高、心配していた体力もまだまだである。順調に進んで12時45分奥白根山に着く。さすがに白根山は人が多い。今まで歩いて来たところを見渡すことはできなかったが、天気にも恵まれ、達成感と自信、そして、ますます山が好きになった。後は、ひたすら丸沼スキー場に向かって下り、13時55分ロープウェイ山頂駅に着いた。実はこの下山ルートの針葉樹の林の中も、私の好きな所である。山頂駅レストランの生ビールが旨かったのはいうまでもない。今回は男体山を登っていないが、男体山を入れても充分楽しめるルートである。是非、一度は挑戦していただきたい計画である。