赤岳天狗尾根


報告者 迫



12/11〜12で、赤岳天狗尾根へ岩稜トレ山行実施した。
(最初の計画では、谷川西黒尾根で、ラッセル訓練の予定だったが雪の『ゆ』の字もないため、計画変更となる)
参加者:迫、大木、ハンター、北村
天狗尾根へは、清里の美し森駐車場に停め、1時間程先の林道二股を右に進み、そこから3,40分ほど歩いた出合小屋からの出発となる。
ここまでは、特に迷うことなく、赤テープ、赤布目印をたどり、何度か渡渉を繰り返し、堰堤を4,5個越えればOK。川の水も出合小屋手前まで、涸れていたので、渡渉にもならなかった。
尾根は、南八ヶ岳東面に位置し、真教寺尾根の南側の日当たりの良い南面の尾根で、赤岳から連なる竜頭峰の基部にぶつかる。取り付きは出合小屋先の分岐を右に、赤岳沢を100m程登った左の尾根(天狗尾根)への取付く。赤布があるが、急登、笹藪で非常に登り難く、辛い。また、この時期、雪はなくても凍っているため滑りやすく、また、目印も見難いので注意が必要。尾根に出てからは、稜線の樹林帯歩きのため、順調に高度を稼ぐ。。。が、荷が重くなかなか進めない。樹林帯の中で、何度かテント場として使えるところがあったが、ハンターの助言で、時間もあるので、進めるところまで進む。小岩稜を2つ程を通過したが、積雪期はアンザイレンが必要。
樹林帯内の幕営できそうなところを2,3通過し、岩場取付きの手前30分くらいの場所にテント設営。(標高約2300m付近)
今回は雪が全く無いため工程途中では水の確保ができず各自持って上がることになり、2食+行動中のことを考えると、節約しなければならなかった。水は本当に重要だ!
自分はもっと、装備の軽量化を図り体力の無い分をリカバーしなければならない、とつくづく感じた。日も陰ると非常に寒く、風も強い。
翌朝予定とおり4:00起床6:00出発。暗い中を、樹林帯のブッシュを掻き分け登っていく。樹林帯を抜けたところで、装備をつける。後ろには広大に広がる雲海。
そして、そこから顔を出す。富士山!幻想的な素晴らしい景色が広がる。これだからやめられない。
でっかい壁にあたるが、フックスロープを伝い右に巻く。
このあたりから岩稜帯となるが、積雪時は難しそうだ。確実な自己確保と、雪上歩きの技術が必要になる。
続いて、リッジ状の岩稜にあたる。2,3m右に動いての稜線を忠実にたどることも出来そうだが、ここは、素直に踏み跡を左に巻く。
その後、大天狗取付き。フリーであれば支点を作りつつ時間をかけて直登出来そうであるが今回は素直に、右のテラスへ巻く。資料にある核心部である。ルート自体は、ロープなしでも行けそうであるが、一箇所乗越すところがあり、落ちるとかなりヤバイ。ここは、スタカットで確実に通過する。
これを越えると、目の前に小天狗がそびえ、その後ろに赤岳が構えている。
ここからは、背後に雲海&富士山&権現岳&北岳などを眺めながら、稜線上を気持ちよくコンテで進む。
権現岳への分岐部。で登攀終了(装備は着けたまま)。ここで、荷物をデポし、赤岳へのピストンとなる。山頂からは、360度大展望。立山〜北アルプス〜南アルプス〜富士山が広がる。
いつまで見ていても飽きない。アイスのメッカ各ルートが手にとるように見える。
その後、デポした荷物を拾い、権現岳方面へ。キレット小屋で一服。
振り返るとそこには、すげ〜〜カッチョイイ。大天狗〜小天狗〜赤岳が広がる。
素晴らしい。(どことなく八つ峰にも似ているし、ヨーロッパアルプスをも彷彿させる景色)
ここから、ひと登りしてツルネの分岐。あとは、ひたすら稜線を下降する。一箇所稜線が分かれるところがあるが、そこは左へ下降。
重い荷物に足を引き攣らせながら、出合小屋経由で、美し森駐車場へ。
今回は、天候に恵まれ過ぎで非常に素晴らしい山行であった。
(ピッケル、アイゼンは一度も使わず雪山準備山行にはならなかったが。。)
また、出合小屋をベースにして、あちこちをめぐる山行の可能なので、これもそのうち実施してみたい。