八ヶ岳広河原沢3ルンゼ右俣


メンバー:小杉
日時:2005.12.10(土)
山域:八ヶ岳広河原沢  
ルート:3ルンゼ(右俣)
タイム:2:30 自宅 〜 6:30 林道終点 〜 8:00 中央稜取り付きの広場 〜 
9:00右俣出合 〜 11:30 3ルンゼ出合 〜 3段の大滝 〜 
13:00 奥の二股 〜 16:00 南稜P3 〜 19:30 林道終点
報告者:小杉

 去年地図を持たなかったため分からなかった舟山十字路先の林道終点に着くと、テッシーたちが出発準備をしていた。ルートは左俣とのこと。去年行っているので若干のアドバイスを告げて見送る。さっさと支度をして7時前には出発。が、10分ほど歩いたところでバイルを片方置き忘れたことに気づき、ダッシュで取りに戻る。
 中央稜基部の広場で左俣向かうにテッシーたちを見かけ声をかける。右俣を進みやがて先行者に追いつく。雪は10センチ程度。これならラッセルもほとんどないだろうと期待する。右俣との出合を過ぎ本谷を少し詰めると5mほどの氷瀑。ここで身支度を整え、いよいよ今年度のアイス初めである。
この滝は簡単で問題なくフリーソロ。しばらくゴーロを歩き、8m階段状の滝も越えるとトポに出ているゴルジュ滝が出てくるがこれも問題なし。ここの左岸にかかっている滝は横に大きく見栄えがいい。初心者の練習にちょうどいいだろう。この先は谷が急峻になっていて、両岸に降った粉雪がすべて谷底に落ちてくる。胸までのラッセルにあえぎながら、先ほど追い越したパーティーが現れてラッセルを交替してくれるのを期待するが、現れる様子はまったくない。先ほどの階段状の滝でモナカ氷を叩き落しているときに、巨大な氷が右足太ももにクラッシュしていて、右足にイマイチ力が入らずつらい。しかもここで痛恨のルートミス。忠実に本谷を詰めればいいものを、左岸から入るルンゼに入ってしまい40分ほど不毛なバンザイラッセルを堪能してしまった。間違いに気づき本谷に戻るも、後続は来ない。諦めて目の前のCS滝を突破する。抜け口に氷がなくいやらしい。このルート、こういったいやらしいポイントが何箇所も出てくる。
やがて顕著な氷柱が正面に現れ、3ルンゼの出合だとわかる。ここに右から入るルンゼをいくと30分ほどで3段の大滝である。傾斜もないし、高度感もないのでフリーソロで抜ける。後はP3まで小氷瀑だけだと思っていたら、右俣に6mほどの氷柱がかかっていた。これはさすがにフリーソロではむりだと、ザイルを出す。気温がかなり下がっていて、オーバーグローブも凍っている。思うようで細かい作業が出来ず時間ばかりかかる。滝は氷柱なのでバランスが悪く、足の置き位置に苦労する。ピンを2本決め抜ける。下降して登り返しとなるが滝から滴る水でザイルが凍ってしまいユマールが上に上がらない。仕方なくバイルでザイルを叩いて氷を砕きつつ登り返すが、登り返しの方が時間がかかって疲れてしまった。結局この滝だけで2時間近くロスしてしまい、日没の時間が気になる。すぐ上の4mほどの氷柱は巻いてしまおうとも思ったが、かえって時間がかかるかもしれないので、フリーで越えることに。つながっている部分は左端だけで、いいスタンスは望めないが、バイルはしっかり決まるので、左足は岩に置き、右足はつながっていない氷を壊して奥の氷筍にとる。何とか抜けて再びラッセル。視界も利かず風も強い。気温がぐんぐん下がっているのが分かる。時計は見ていなかったが、P3からさっさと下降する方が得策と考えながら進む。
P3にて時間を確認。すでに16時。明るいのもあと40分ほどである。ピークをあきらめ、南稜をさっさと下降する。途中2パーティーが幕営していたので、お茶でもどうぞってならないかなぁと甘い期待で声をかけるが、雑談だけでさよならとなる。樹林帯に入ると風もなくなり余裕が出る。グローブを確認すると中まで凍っている(後で確認したら合計6本の指が、極軽度の凍傷になっていた)。最後に一本取ったところで再びバイルを忘れ、30分ほどロス。間抜けである。駐車場につくとテッシーたちがテントを張る準備をしていた。てっきり中央稜基部で幕営中だと思っていたのでびっくりした。片付けしながら雑談し、別れを告げる。宇都宮まで全速で4時間。ある意味核心である。