松木ジャンダルム:無知のルートは内心ゾクゾク!

日時:2005年8月19日(金)
ルート:チョックストン
メンバー:石賀(報告)・新海

世間には申し訳ないが、15日もある夏季連休!平常に戻った後半一週間を一人寂しく家で過ごすのは勿体無いと、新海君を誘う。新海君のリクエストはジャンダルム。まともなリードは二人とも初であり、個人的に気になっていた無難と思われるチョックストン・ルートを楽しみながら行くことにした。
9時、銅公園発。朝は非常に陽射しが強く、工事用道路を歩いただけで汗ダランダラン!渡渉後の取付までの登りは、既に疲れ果てて体ダランダラン!取付に着いてもしばし休憩!今日はいい天気だし…と対岸の山を見ると頂上は雲が掛かっていた。アヤシイ!と感じつつ、10時半クライミング開始。
1P、がっちゃんリードでスタート。さすがに手慣れたフェース。30mで刻むことにする。2Pは新海君リード。チョックストンは彼なら簡単に登れるところだが、彼なりに体の使い方を色々と考えながら越えているようだ。姿が見えなくなった後、25mでロープの流れが止まると、突然カンカンとハーケンを打つ音が聞こえる。カンカン、やたらと聞こえる。「おっ手堅い」と感心しながらビレイ点に行くと、美しいとはちと言い難い支点の取り方。単にハーケンを打ちたかっただけのようだ。しかも自分のは忘れ、ワタクシ所有の未使用のハーケンをである。…こいつめ!
3P、ここからはワタクシ未知のルート。初見ではあるが、ここからをリードしたくて1Pは30mで刻んだ。先が見えぬ不安を片隅に、ビレイ点の上のクラックを登る。その後テラスを越え、直進は易しそうなので右のフェースへ。途端に残置ハーケンも支点もなく、ルートを間違ったんじゃないかと不安がよぎる。ロープの残りが気になり、新海君に「残り何メートル?」と聞くが「ザイルアップ」との返答…沢音に声が掻き消され、伝わっていない。仕方なく階段状の岩の途中ではあったが、カムとスリングでビレイ点を作る。延ばしたロープは40m程。「ルート間違ったか?」後から来た新海君が、以前アイゼントレで来たルートである事を確認…ホッ!
4Pは新海君リード。10m程で終了。その先を登ろうとしたらしいが、ロープの流れが悪くなる様でやめる。5P…4Pはつまらなかったと、最後も新海君がリード。また後悔しないようにと、難しそうな右のフェースを選択。だがカムが入らぬようで断念。その左にある5〜60センチ程の割れ目の間から登ることにする。この割れ目、結構大変そうに登っていった。自分も割れ目に突っ込むが、案外登り辛く、右壁のみを使って上がる。5mも上がれば、天狗岩ルートの頂上に出る。13時…所要時間は2時間半。今回はゆっくりではあるが、自分たちであーだこーだ言いながら、冷や汗かいてマジ汗かかぬ楽しみながらのクライミングで満足であった。
頂上で大休憩をしたかったが、空は雨雲いっぱい。靴も持参せず、即行天狗岩から懸垂で降りる。意外だったのは1Pが50mピッタシで次の下降支点があり、2Pであっさり取付に戻る。登攀器具をザックに片付けた直後に雨が降り始めた。帰りの工事用道路はどしゃぶり。雨宿りもしながら半分戻った辺りでテラノが通りがかり、乗せていただく。大変ありがたかった。テラノの運転手はゲートについて「あんなもん作る必要はないのに…。どんどん山から(釣り人含めて)人が離れていってしまったよ」…いいこと言ってくれるじゃん!